デザートで活躍する先輩漫画家さんがデビュー秘話や実際の漫画家生活を語る、
プロ志望の方とまんが好きのみなさんに贈るインタビューシリーズ!
第1回となる今回は、ろびこさん、築島治さん、あなしんさん、桐島りらなど、
たくさんの人気漫画家さんがデビューしているしてるデザートの2つの新人賞
「デザート・デビュー・ドリーム(毎月15日〆切)」
「新人まんが大賞(3月末・9月末〆切)」
の両方を経験したデビュー2年目、次のブレイクが期待される漫画家倉地よねさんが、
デビューまでの軌跡を語ってくれました!
(取材・文/デザート新人賞 事務局)
――今日はよろしくお願いします!
さっそくですが、倉地さんは以前はいろんなことろに投稿をされていたそうですが、
どうしてデザートに投稿してくれたんですか?
倉地さん:
きっかけはすごく単純なんですけど、「となりの怪物くん」を読んで
大ハマリしたんです。ろびこさんの絵って、少女漫画だけど少女漫画じゃない
みたいな絵というか。
お話も他の少女漫画とちがう面白さを感じて! それで「デザート」を買って
読んでみると、他の作品もみんな個性的で、雑誌のなかに似ている漫画が全然なくて。
――きっかけはろびこさんだったんですね。僕もデザートに異動する前に
「となりの怪物くん」読んで、改めて「少女漫画って面白いんだ!」って思いました。
私もそうです(笑)。「となりの怪物くん」を読んで、
「好きな作家さんと同じ雑誌に載りたい!」と思ったんです。
ここで活躍したいな、と思ってろびこさんが出身の「デザート・デビュー・ドリーム」
に投稿しました。
――倉地さんは毎回ペンネームを変えて送ってきてたのを、よく覚えてます(笑)
倉地さん:
当時の心境が出てますよね(苦笑)。自信がなくてふらふらしていました。
――でも、ペンネームどうこうより、あの時から絵はとても目立ってました!
「デザート・デビュー・ドリーム」担当のメンバー内では、当時から
「すごくかわい絵の人だからデビューして欲しい!」ってよく話していたんです。
倉地さん:
嬉しいです(笑)! 「絵がいい」っていうのは、ありがたいことに前の投稿先から
ずっと言われていたんです。それが私の武器なんだなっていうのはありました。
だから「とにかくいい絵を描こう!」と思って1作目は描きました。
――すごく魅力的な絵だと思います。でも、さきほど「自信がなくて」と
おっしゃってましたけど、それは「絵」ではない部分?
倉地さん:
内容です。いまも担当さんにもよく言われますが(苦笑)、「絵はいいけど、話が
とっ散らかっててわかりにくい」って、前の投稿先でずっと言われていて。
自分でも課題だと思いつつ、どうしたらいいかわからなくて…。でも「デザート・
デビュー・ドリーム」から原稿が返ってきた時、「ここに送ってよかったな」
と思いました。原稿と一緒に返ってくる「返却シート」に、「改善案」が
モリモリ書かれてたんです!
他誌の賞でもらっていた同様のシートと違ってデザートのそれには、今後は
「こう考えてみよう」という「改善のためのポイント」が、すごく丁寧に
書かれていました。 たとえば「シンプルに整理するよう心がけて」
ってありますよね(下画像参照)。
そうするための具体案が…ほら!「石に●●」とか「あだ名も××」とか。
投稿者時代って、みんなそうだと思うんですけど、落選が続くと
時々「何と戦ってるんだろう」って諦めそうになることがあって。当然だけど
毎回デビューするつもりで原稿送っているんで、毎回一人前に凹むんです。
でも、「改善案」があると、目標になる。「次はこれ頑張ろう!」
と思えて、テンション上がりました!
――それは編集部にもすごく伝わっていました。中2か月で2度目の投稿でしたよね。
とてもいいペースで投稿してくれて印象に残っています。将来、連載作家さんに
なってくれるように、と考えるとこちらとしてはスピードも当然見ますからね。
倉地さん:
早さはそこまで意識してなかったですけど、とにかく評価シートで言って
もらった「改善案」を試したかったんです。すごく苦労しましたけど(笑)。
自分なりにめちゃくちゃシンプル…にしたつもりの設定で、褒めてもらった
絵は頑張って投稿しました。すると、1作目に返却シートを書いてくれた
編集さんに正式に担当してもらえることになって。
前回指摘されてストンと来たことに挑戦したら結果もついてきた。なにより
自分でみても「前のよりよくなった!」……気がした(笑)のが嬉しかった
です! ちょっと(デビューに)近づいた実感が出てきて。ここでデビューしたら、
その先も成長できる気がして気合いが入りました!
――それは嬉しい言葉ですね! これからもどんどん成長してください!
倉地さん:
はい(笑)! あれ、インタビューもうおわりですか(笑)?
――まだ続きます(笑)。
次は実際のデビューに至った「きっかけ」のお話をお願いします!
――倉地さんは「まんがキャラバン」直前の「デザート・デビュー・ドリーム」
にも投稿してくれていて、こちらとしても次の「新人まんが大賞」で
デビューに挑戦してほしいと思っていました。
倉地さん:
はい。担当さんからも電話や原稿返却のシートでそう言っていただいていて。
「まんがキャラバン」では担当さんとの個人面談もあったので、
新人まんが大賞に送る作品用のネームを持参していきました。ただ……正直
自信はなかったです。それまでに4回「デザート・デビュー・ドリーム」に投稿して
デビューに至ってなかったですし。何かが足りていないんだろうな、と。
だから必死でした。
――面談ではどんな話をしたんですか? ぜひ教えて下さい!
倉地さん:
面談で、ネームを読み終わった担当さんには一言「惜しい!」って
言われました。問題は大きく言って2つありました。ひとつは、
「物足りない」(苦笑)。
「全体的にはよくまとまっているけど、見せ場の展開が、読む人の心を動かす
エピソードになってない」と。それには、「主人公と相手の男の子の心が
動く瞬間が必要だ」と言われました。そこでネームを間に挟んで、該当の
エピソードが描かれたページを一緒に見ながら担当さんとお話しして、
「ふたりの心を動かすには、ふたりで一緒に何かをする」エピソードを
つくろうということになりました。要は読む人、ここでは担当さんが
納得するだけのことを、作中でキャラがしてなかった。
一人で考えている間は無意識に「こんな展開だろう」と、物語を優先してキャラを
動かしちゃっていたんですね。だから「つじつまは合うけど、つまらない」
エピソードになってたんです。
もうひとつは男の子の絵。これは以前から自分でも気になっていて、担当さん
にも言われていたのでその場で質問しました。そしたら「骨格を意識して
描いてみたら」と、その場で担当さんも紙に図解で示してくれて(下の図参照)!
――なるほど! グッと「男の子らしく」見える気がします。
デビュー作は、審査員の漫画家さんからも「男の子」の評価が高かったです。
あの「男の子」はどうやって生まれたんですか?
倉地さん:
実は「男の子」のキャラ自体もかなり変えました。 担当さんから
指摘を受けて、「ふたりのエピソード」を作るために「男の子」のこと、
家に帰ってもう一度考えてみたんです。
で、ここでもやっぱり「まんがキャラバン」がきっかけになっていて。
「まんがキャラバン」って、プロの漫画家さんが最初に講義をして、その後
それぞれの実技を見せてもらえるんですが、少人数で見学できるからいろいろ
質問もできて。そのときに「投稿者の時は、キャラに絶対モデルがいた」って
言う方がいたんです。よく言われることですけど、漫画家さんが実体験として
言うもんだから、「それだ!」って改めて思って(笑)。
ネーム直しながらメモ帳をあさりました。それで、当時仲のよかった
バイトで一緒だった男の子をモデルに、いろいろ考え直したんです。
そしたら「ふたりでのエピソード」も「こんな絵で描こう」って
イメージができた。その直したネームを担当さんに(FAXで)提出して、
OKをもらってなんとか9月末〆切の新人賞に投稿。デビューになりました。
――『トシソウオウ』は、お話も人物もイキイキしていて、文句なしのデビュー
でした。でも、とにかく作品がよくなりそうと思ったら、ギリギリまで試そうと
する倉地さんの粘りがあったからこそなんだと思います。現担当としては、
これからもその調子でどんどんすごい作家さんになってほしい!
倉地さん:
頑張ります(笑)。あと、粘りも大切かもですが、もし原稿を描いたのに
どこに投稿したらわからない、という人がいたら、なるべく持ち込みに
行ったほうがいいと思います。当たり前だけど、直接聞きたかったことが
「質問」ができると、理解も深まるし、自分が次になにをすべきかがクリアに
直接話すって単純にインパクトがでかいですから(笑)。
――では、最後に投稿時代を振り返って、「これはやっていてよかった」と
思うことがあったら教えて下さい。
倉地さん:
とにかく「出かけること」と、「メモること」ですかね…。
投稿者の頃、いわゆるフリーターだった私は、いろんなところで働きました。
お菓子をつくる工場や映画館、コンビニでも働いたし、漫画家さんのアシスタント
もしていました。さっきデビュー作の話にも出ましたけど、デビュー以降も
必ず、特に男の子キャラにはモデルがいます。モデルといっても発想のヒントというか、
実際に見た表情やセリフを元に考えてみたりというのが基本ですけど。だから私は、
いまも人に会うためによく出かけます。
そして、出かける時は必ず「メモ帳」を持って行きます。職場などで、
感じたことや見たこと、一緒に働いた人の仕草や会話や言動など、とにかく気に
なったことはノートやケータイにメモしています。どこでどう使えるかわからないけど、
キャラにしてもセリフにしても、ネタにしても、実際に自分自身で見たものや
感じたことに勝るオリジナリティってないと思うんです。ネームに困ったときは、
よく見返しますね。すると、たま~に(笑)、すごいヒントになってくれる。
「こんな事メモってたんだ!」ってものの方が使えたりして。これは先ほど
お話した「まんがキャラバン」で先輩漫画家さんもおっしゃってたことなので、
間違いないはずです!
――ありがとうございます。最後にデビューを目指す投稿者の人にメッセージをぜひ。
倉地さん:
予定をカレンダーに書き込むといいですよ! なんでもないような
ことだけど、意外にとても役に立ちます。
ネーム、下描き、ペン入れ、トーン、仕上げ、セリフ、など細かく書き込むのが
コツです。私はデザートに初投稿するとき、1年に最低3回は投稿する! と
決めました。なかなか原稿が仕上がらないという人は、細かく目標を立てて、
カレンダーに書いちゃうとうまくいったりしますよ!
自分の「いいところ」も「悪いところ」も描き上がった作品からしか
見えてこないし、人に見てもらったら確実に発見があります。
じゃんじゃん描いて投稿して、感想をもらっちゃいましょう!
――倉地さんありがとうございました!
ぜひお楽しみに!!
倉地さんも出身! 〆切は年2回(3月末・9月末)!!
作品募集中!!!!!
毎月開催! 一緒に育てる新人賞!!
プロ志望の方とまんが好きのみなさんに贈るインタビューシリーズ!
第1回となる今回は、ろびこさん、築島治さん、あなしんさん、桐島りらなど、
たくさんの人気漫画家さんがデビューしているしてるデザートの2つの新人賞
「デザート・デビュー・ドリーム(毎月15日〆切)」
「新人まんが大賞(3月末・9月末〆切)」
の両方を経験したデビュー2年目、次のブレイクが期待される漫画家倉地よねさんが、
デビューまでの軌跡を語ってくれました!
(取材・文/デザート新人賞 事務局)
1.初投稿! 好きな作家さんと同じ雑誌に載りたい!!
――今日はよろしくお願いします!
さっそくですが、倉地さんは以前はいろんなことろに投稿をされていたそうですが、
どうしてデザートに投稿してくれたんですか?
倉地さん:
きっかけはすごく単純なんですけど、「となりの怪物くん」を読んで
大ハマリしたんです。ろびこさんの絵って、少女漫画だけど少女漫画じゃない
みたいな絵というか。
お話も他の少女漫画とちがう面白さを感じて! それで「デザート」を買って
読んでみると、他の作品もみんな個性的で、雑誌のなかに似ている漫画が全然なくて。
――きっかけはろびこさんだったんですね。僕もデザートに異動する前に
「となりの怪物くん」読んで、改めて「少女漫画って面白いんだ!」って思いました。
私もそうです(笑)。「となりの怪物くん」を読んで、
「好きな作家さんと同じ雑誌に載りたい!」と思ったんです。
ここで活躍したいな、と思ってろびこさんが出身の「デザート・デビュー・ドリーム」
に投稿しました。
評価シート! 具体的な改善ポイントと手応えがある嬉しさ
――倉地さんは毎回ペンネームを変えて送ってきてたのを、よく覚えてます(笑)
倉地さん:
当時の心境が出てますよね(苦笑)。自信がなくてふらふらしていました。
――でも、ペンネームどうこうより、あの時から絵はとても目立ってました!
「デザート・デビュー・ドリーム」担当のメンバー内では、当時から
「すごくかわい絵の人だからデビューして欲しい!」ってよく話していたんです。
倉地さん:
嬉しいです(笑)! 「絵がいい」っていうのは、ありがたいことに前の投稿先から
ずっと言われていたんです。それが私の武器なんだなっていうのはありました。
だから「とにかくいい絵を描こう!」と思って1作目は描きました。
――すごく魅力的な絵だと思います。でも、さきほど「自信がなくて」と
おっしゃってましたけど、それは「絵」ではない部分?
倉地さん:
内容です。いまも担当さんにもよく言われますが(苦笑)、「絵はいいけど、話が
とっ散らかっててわかりにくい」って、前の投稿先でずっと言われていて。
自分でも課題だと思いつつ、どうしたらいいかわからなくて…。でも「デザート・
デビュー・ドリーム」から原稿が返ってきた時、「ここに送ってよかったな」
と思いました。原稿と一緒に返ってくる「返却シート」に、「改善案」が
モリモリ書かれてたんです!
他誌の賞でもらっていた同様のシートと違ってデザートのそれには、今後は
「こう考えてみよう」という「改善のためのポイント」が、すごく丁寧に
書かれていました。 たとえば「シンプルに整理するよう心がけて」
ってありますよね(下画像参照)。
そうするための具体案が…ほら!「石に●●」とか「あだ名も××」とか。
投稿者時代って、みんなそうだと思うんですけど、落選が続くと
時々「何と戦ってるんだろう」って諦めそうになることがあって。当然だけど
毎回デビューするつもりで原稿送っているんで、毎回一人前に凹むんです。
でも、「改善案」があると、目標になる。「次はこれ頑張ろう!」
と思えて、テンション上がりました!
――それは編集部にもすごく伝わっていました。中2か月で2度目の投稿でしたよね。
とてもいいペースで投稿してくれて印象に残っています。将来、連載作家さんに
なってくれるように、と考えるとこちらとしてはスピードも当然見ますからね。
倉地さん:
早さはそこまで意識してなかったですけど、とにかく評価シートで言って
もらった「改善案」を試したかったんです。すごく苦労しましたけど(笑)。
自分なりにめちゃくちゃシンプル…にしたつもりの設定で、褒めてもらった
絵は頑張って投稿しました。すると、1作目に返却シートを書いてくれた
編集さんに正式に担当してもらえることになって。
前回指摘されてストンと来たことに挑戦したら結果もついてきた。なにより
自分でみても「前のよりよくなった!」……気がした(笑)のが嬉しかった
です! ちょっと(デビューに)近づいた実感が出てきて。ここでデビューしたら、
その先も成長できる気がして気合いが入りました!
――それは嬉しい言葉ですね! これからもどんどん成長してください!
倉地さん:
はい(笑)! あれ、インタビューもうおわりですか(笑)?
――まだ続きます(笑)。
次は実際のデビューに至った「きっかけ」のお話をお願いします!
2.デビューまで 「プロの世界を肌で感じること」
まんがキャラバン! 「聞く! 話す! やってみる!」 |
「まんがキャラバン」って?
毎年、夏に開催しているプロデビューを目指す投稿者の方を対象にしたイベントです。現在デザートで活躍中の作家さんを講師にお迎えして、みなさんの質問にお答えしたり、実技を披露してもらいます。また編集者との個別面談もあります。あなしんさん『春待つ僕ら』、築島治さん『私たちには壁がある。』、桐島りらさん『世界の端っことあんずジャム』三月薫さん『かわいいから許す』たちもデビュー前に参加しました。毎年6月ごろから募集を開始するので、デザート本誌とHPをチェックしてね!
|
――倉地さんのデビューの第36回デザート新人まんが大賞。 投稿作『トシソウオウ』が佳作を受賞したんですよね。ご自分で何か「きっかけ」になる出来事ってありました? 倉地さん: そうですね、いま思い返すと転機はプロの作家さんと編集さんに直接会って話をきけたことかな、と思っています。デビューさせてもらった新人まんが大賞の〆切が9月の末だったんですが、その直前に開催された「まんがキャラバン」に参加させてもらったんです。そこで聞いたお話のお陰でデビュー作『トシソウオウ』が完成したようなものだったので。 |
毎年、夏に開催しているプロデビューを目指す投稿者の方を対象にしたイベントです。 現在デザートで活躍の作家さんを講師にお迎 えして、みなさんの質問にお答えしたり、 実技を披露してもらいます。 また編集者との個別面談もあります。 あなしんさん『春待つ僕ら』 築島治さん『私たちには壁がある。』 桐島りらさん 『世界の端っことあんずジャム』 三月薫さん『かわいいから許す』 らもデビュー前に参加しました。 毎年6月ごろから募集を開始するので、 デザート本誌とHPをチェックしてね! |
にも投稿してくれていて、こちらとしても次の「新人まんが大賞」で
デビューに挑戦してほしいと思っていました。
倉地さん:
はい。担当さんからも電話や原稿返却のシートでそう言っていただいていて。
「まんがキャラバン」では担当さんとの個人面談もあったので、
新人まんが大賞に送る作品用のネームを持参していきました。ただ……正直
自信はなかったです。それまでに4回「デザート・デビュー・ドリーム」に投稿して
デビューに至ってなかったですし。何かが足りていないんだろうな、と。
だから必死でした。
――面談ではどんな話をしたんですか? ぜひ教えて下さい!
倉地さん:
面談で、ネームを読み終わった担当さんには一言「惜しい!」って
言われました。問題は大きく言って2つありました。ひとつは、
「物足りない」(苦笑)。
「全体的にはよくまとまっているけど、見せ場の展開が、読む人の心を動かす
エピソードになってない」と。それには、「主人公と相手の男の子の心が
動く瞬間が必要だ」と言われました。そこでネームを間に挟んで、該当の
エピソードが描かれたページを一緒に見ながら担当さんとお話しして、
「ふたりの心を動かすには、ふたりで一緒に何かをする」エピソードを
つくろうということになりました。要は読む人、ここでは担当さんが
納得するだけのことを、作中でキャラがしてなかった。
一人で考えている間は無意識に「こんな展開だろう」と、物語を優先してキャラを
動かしちゃっていたんですね。だから「つじつまは合うけど、つまらない」
エピソードになってたんです。
もうひとつは男の子の絵。これは以前から自分でも気になっていて、担当さん
にも言われていたのでその場で質問しました。そしたら「骨格を意識して
描いてみたら」と、その場で担当さんも紙に図解で示してくれて(下の図参照)!
――なるほど! グッと「男の子らしく」見える気がします。
デビュー作は、審査員の漫画家さんからも「男の子」の評価が高かったです。
あの「男の子」はどうやって生まれたんですか?
倉地さん:
実は「男の子」のキャラ自体もかなり変えました。 担当さんから
指摘を受けて、「ふたりのエピソード」を作るために「男の子」のこと、
家に帰ってもう一度考えてみたんです。
で、ここでもやっぱり「まんがキャラバン」がきっかけになっていて。
「まんがキャラバン」って、プロの漫画家さんが最初に講義をして、その後
それぞれの実技を見せてもらえるんですが、少人数で見学できるからいろいろ
質問もできて。そのときに「投稿者の時は、キャラに絶対モデルがいた」って
言う方がいたんです。よく言われることですけど、漫画家さんが実体験として
言うもんだから、「それだ!」って改めて思って(笑)。
ネーム直しながらメモ帳をあさりました。それで、当時仲のよかった
バイトで一緒だった男の子をモデルに、いろいろ考え直したんです。
そしたら「ふたりでのエピソード」も「こんな絵で描こう」って
イメージができた。その直したネームを担当さんに(FAXで)提出して、
OKをもらってなんとか9月末〆切の新人賞に投稿。デビューになりました。
――『トシソウオウ』は、お話も人物もイキイキしていて、文句なしのデビュー
でした。でも、とにかく作品がよくなりそうと思ったら、ギリギリまで試そうと
する倉地さんの粘りがあったからこそなんだと思います。現担当としては、
これからもその調子でどんどんすごい作家さんになってほしい!
倉地さん:
頑張ります(笑)。あと、粘りも大切かもですが、もし原稿を描いたのに
どこに投稿したらわからない、という人がいたら、なるべく持ち込みに
行ったほうがいいと思います。当たり前だけど、直接聞きたかったことが
「質問」ができると、理解も深まるし、自分が次になにをすべきかがクリアに
直接話すって単純にインパクトがでかいですから(笑)。
幼く見られることを気にする主人公・華ちゃんが、老けてみられるクラスメイト・おじくんと仲良くなって…。というストーリー。 「主人公の女の子キャラがとってもかわいらしく感じました(金田一蓮十郎『ライアー× ライアー』)」「キャラがすごくカワイイ! おじさんの地味さが華ちゃんのかわいらしさ を引き立てています。(真崎総子『俺の執事 (♀)がイケている』)」「ラストのおじ さん、かっこ良すぎです!(丘上あい『バンビとドール』)」と、審査員の作家 さんたちからも高評価を受けてデビュー! 無料お試し読みはこちらから!! |
3.デビュー前にしておいてよかったこと
――では、最後に投稿時代を振り返って、「これはやっていてよかった」と
思うことがあったら教えて下さい。
倉地さん:
とにかく「出かけること」と、「メモること」ですかね…。
投稿者の頃、いわゆるフリーターだった私は、いろんなところで働きました。
お菓子をつくる工場や映画館、コンビニでも働いたし、漫画家さんのアシスタント
もしていました。さっきデビュー作の話にも出ましたけど、デビュー以降も
必ず、特に男の子キャラにはモデルがいます。モデルといっても発想のヒントというか、
実際に見た表情やセリフを元に考えてみたりというのが基本ですけど。だから私は、
いまも人に会うためによく出かけます。
そして、出かける時は必ず「メモ帳」を持って行きます。職場などで、
感じたことや見たこと、一緒に働いた人の仕草や会話や言動など、とにかく気に
なったことはノートやケータイにメモしています。どこでどう使えるかわからないけど、
キャラにしてもセリフにしても、ネタにしても、実際に自分自身で見たものや
感じたことに勝るオリジナリティってないと思うんです。ネームに困ったときは、
よく見返しますね。すると、たま~に(笑)、すごいヒントになってくれる。
「こんな事メモってたんだ!」ってものの方が使えたりして。これは先ほど
お話した「まんがキャラバン」で先輩漫画家さんもおっしゃってたことなので、
間違いないはずです!
――ありがとうございます。最後にデビューを目指す投稿者の人にメッセージをぜひ。
倉地さん:
予定をカレンダーに書き込むといいですよ! なんでもないような
ことだけど、意外にとても役に立ちます。
ネーム、下描き、ペン入れ、トーン、仕上げ、セリフ、など細かく書き込むのが
コツです。私はデザートに初投稿するとき、1年に最低3回は投稿する! と
決めました。なかなか原稿が仕上がらないという人は、細かく目標を立てて、
カレンダーに書いちゃうとうまくいったりしますよ!
自分の「いいところ」も「悪いところ」も描き上がった作品からしか
見えてこないし、人に見てもらったら確実に発見があります。
じゃんじゃん描いて投稿して、感想をもらっちゃいましょう!
――倉地さんありがとうございました!
ぜひお楽しみに!!
倉地さんも出身! 〆切は年2回(3月末・9月末)!!
作品募集中!!!!!
毎月開催! 一緒に育てる新人賞!!
作家名:倉地よね
(第36回デザート新人まんが大賞佳作)
出身地:福岡県
血液型:O型
★デビューまでの軌跡
はじめての漫画投稿:13歳
デザート初投稿:
2013年11月
第170回「デザート・デビュー・ドリーム」
ホープ賞
デザートへの投稿回数:「DDD」4回
(ホープ賞1回・チャレンジ賞3回)
デビュー:2014年冬
第36回 デザート新人まんが大賞 佳作
『トシソウオウ』
現在デザートにて
読者ページ「カフェ・ド・デザート」
のイラストを担当
★使っている道具
ペン先 主線:Gペン(日光)
髪・目:丸ペン(ZEBRA)
背景:丸ペン・ミリペン(copic)
ホワイト:ドクターマーチン
ペンホワイト
ぺんてる修正液(細先端)
ベタ:ぺんてる筆(中字)
枠線:copic1.0
消しゴム:MONO
(第36回デザート新人まんが大賞佳作)
出身地:福岡県
血液型:O型
★デビューまでの軌跡
はじめての漫画投稿:13歳
デザート初投稿:
2013年11月
第170回「デザート・デビュー・ドリーム」
ホープ賞
デザートへの投稿回数:「DDD」4回
(ホープ賞1回・チャレンジ賞3回)
デビュー:2014年冬
第36回 デザート新人まんが大賞 佳作
『トシソウオウ』
現在デザートにて
読者ページ「カフェ・ド・デザート」
のイラストを担当
★使っている道具
ペン先 主線:Gペン(日光)
髪・目:丸ペン(ZEBRA)
背景:丸ペン・ミリペン(copic)
ホワイト:ドクターマーチン
ペンホワイト
ぺんてる修正液(細先端)
ベタ:ぺんてる筆(中字)
枠線:copic1.0
消しゴム:MONO