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築島治さんスペシャルインタビュー
『絶対にときめいてはいけない!』
4巻発売記念
築島治さん、スペシャルインタビュー!!
※このインタビューはコミックス4巻のネタバレを含みますので、
未読の方はご注意ください!(雑誌派の方は大丈夫!)
義理のきょうだいのひとつ屋根の下ラブストーリー、
『絶対にときめいてはいけない!』
の4巻発売を記念して、作者の
築島治
さんにインタビュー!
“絶対ときめく!”そのワケを、根掘り葉掘り聞いちゃいました。
ぜひコミックスとセットでお読みください♥
(取材・文/デザート編集部)
「絶対にときめいてはいけない!」(4)
築島 治
STORY
高校1年生の夏、親の再婚で「弟」ができると喜んでいたさくら。 だけどフラれて帰宅したさくらが出会った弟は、同い年の男の子・楓だった! 弟になんて絶対にときめくわけない…のに!? 義理のきょうだいのひとつ屋根の下ラブストーリー♥
――
『絶対にときめいてはいけない!』
4巻がいよいよ発売ですね!
今回は、最新刊のことはもちろん、キャラクターのことや、作品誕生の経緯など、
いろいろと聞かせてください。
今日はどうぞよろしくお願いします!
築島:
よろしくお願いします。
――まず最初に…現在連載中の
『絶対にときめいてはいけない!』
は、
編集部では『絶とき』または『ときいけ』と略しているのですが、
築島さんは略称で呼ばれていますか?
築島:
実は
連載当初は担当さんと『ときいけ』と呼んでいた
のですが、
印刷所の当時の担当の方が
「“ぜっとき”の原稿、まだ上がらないんですか!?」
と言ったそうで(笑)。
担当:
それからは語呂と音の強さで、
私たちも『絶とき』で呼ぶように
なりました(笑)。
築島:
でも読者の方にはなんとでも、呼びやすいように
呼んでいただけたらいいなと思っています。
――では、このインタビューでも
『絶とき』
と略して
進めさせていただきます!!(笑)
あらすじ:
高校1年生の夏、親の再婚で「弟」ができると喜んでいたさくら。
だけどフラれて帰宅したさくらが出会った弟は、同い年の男の子・楓だった!
弟になんて絶対にときめくわけない…のに!?
⇒1話目のお試し読みはコチラ
■ポイントはヒーローとヒロインの“距離感”
――さっそくですが、
『絶とき』
が出来上がるまでの経緯から教えてください。
築島:
実は、前作の
『私たちには壁がある。』
(以下『壁』)の
4巻くらいのときから、すでに新作の話をしていたんです。
――そんなに前からですか!?
築島:
ええ、そうなんです。
その時に、
「幼なじみ以上に、ときめきが早く描けるような
距離が近い関係性。かつ私が好きな男子を描ける状況の漫画」
が
いいのではとの話が出て、
同居もの
にしようかとなりました。
ヒーローとヒロインの距離が近い
ところから始めたほうが、
たしかに私もときめきがすぐに描きやすいし、
言われてその気になったという経緯ですかね。
――なるほど。たしかに
『絶とき』
の2人は“きょうだい”で、
“幼なじみ”の2人が主人公だった『壁』以上に
距離が近いからこそのキュンとするシーンや
ドキッとするシーンが盛りだくさんですよね!!
■さくらのモデルは前作『壁』のあのキャラ!?
――ではさくら、楓、波多野のメインキャラクター3人の
性格やビジュアルはどのようにしてできたんですか?
築島:
最初にできたのは波多野
です。
波多野涼。
さくらが告白するもフラれた相手。学校一のイケメン。
――えっ、そうなんですか!? なにか、きっかけがあったのでしょうか?
築島:
『絶とき』
の連載準備期間中、日課の散歩中によく聞いていた曲が
あったのですが、それが
男子の切ない恋心を歌っていた曲
だったんです。
それを毎日聞き流していたら、
波多野の原型
ができました。
あと、これは個人的な事情ですが、前前作の連載の
『泣かんもん!』
のときに、
望という男子がいたんですが、あの子をもっとうまく描いてあげたかったなという
後悔がありまして。
前前作『泣かんもん!』に登場した小悪魔系男子、望。
築島:
私の力量不足で、主人公にとって、ただただひどい男に見える
描き方を当時はしてしまったなと。
なので、彼を今度こそうまく描けたらなという思いで
生まれたのが波多野です。
影があって、癖のある
一途な男をいい形で新作で描けたらな
と思いました。
――個人的には、かわいくて押しの強い望くんが好きでしたが、
築島さんにはそういう思いもあったんですね。
そしてなにより、波多野くんがどのキャラクターよりも先に誕生した、
というのは意外でした。
築島:
そうなんです。で、次に考えたのがさくらです。
西山さくら。
高校一年生。お人好しの自爆体質。料理が趣味。
築島:
もともと私は女子を可愛く描くのに苦手意識がありまして…。
女の子を描くこと自体はすごく好きなのですが、少女漫画の主人公として
好かれる子、というのが難しいなと思っていました。
で、ある時に
前作の『壁』のヒーロー・怜太を女子にしたらと
思いついてから、
描きやすくなった感じです。
――男子を女子に?
築島:
怜太が私にとってものすごく描きやすいキャラだったのですが(笑)、
怜太のいつもまっすぐだけど芯のある、でもお馬鹿でかわいいところも
ある子…というのを、主人公の女子に活かせたらな
と思って。
かっこいいのに笑えて、キュンとする♥♥♥
前作
『私たちには壁がある。』
の怜太。
築島:
それで試行錯誤してるうちに、さくらの原型に繋がった感じです。
ちょっとこの主人公抜けてるところあるよなと思いながらも(笑)、
楽しく描いています。
さくらのビジュアルがちょっと猫っぽい?のは、私が猫を飼ってる
せいなのかな(笑)。少しつり目のほうが個人的には描きやすいんです。
――そして、楓くんですね。
築島:
はい、楓は一番最後です。担当さんと話して、
楓は不器用な王道ヒーロー男子
というところを目指しました。
ビジュアルについては、「ヒーローは黒髪で」という
完全に担当さんの趣味でしたが、私もこれまで黒髪のメインヒーローを
描いたことなかったからちょうどいいかなと。
それで必然的に波多野が白髪になったという経緯ですかね。
西山楓。
高校一年生。よく脱いでる。家事はこなせるタイプ。
――過去の作品のキャラクターたちが、『絶とき』でも生きていると思って読むと、
また一段と楽しめそうです!
では、次にタイトル
『絶対にときめいてはいけない!』
の由来をお伺いできますか。
■読んだら“絶対ときめく!”とわかるタイトル
築島:
私、タイトル案を出すのが苦手なんです…。
担当:
すみません、これも私が原因です(苦笑)。元ネタはアレです、
年末のあの有名な番組…。その時期に新作のタイトルを考えていて、
帰社途中にふと思い浮かんで築島さんに「新作タイトルこれでどう(笑)?」と
メールした記憶があります。
――そして、そのまま決まったんですね(笑)!
担当:
そうなんですよ(笑)。
個人的には、作品を読む前から、タイトルだけで内容や読後感が
お客さんに想像してもらいやすいといいのかなと思っているんですが、
築島さんの漫画は「絶対ときめけますよ!」というのを強調しようと
した結果、このタイトルでいくことになりました。
――たしかに
『絶とき』
が
“絶対にときめく漫画”であるということは、
タイトルを見ただけで伝わっていましたが、
まさかそんな経緯があったなんて…!(笑)。
では、続いて既刊のなかで気に入っているシーンを
教えてもらえますか?
築島:
2巻の7話の手のひら越しキス
です。
――このシーンは読んでいてドキドキしました…!
築島:
このネタは唐突に降ってきたのですが(笑)、
キスしたと見せかけて実はしてない、
というのを比較的自分のイメージ通りに描けたかなと思っています。
読者の方にはぜひ、やきもきしてもらえたら(笑)。
■デビュー当時から大切にしている“ときめき”を描くこと
――それでは次に、一番好きなキャラクターを教えてください。
築島:
さくらと楓、波多野の3人は同列で好き
です。
もともと私が完璧人間よりは、「ツッコミどころ」のある子が好きなんですね。
波多野は3巻くらいでようやく人間らしい欠点がちゃんとある子に
描けたかなと思いますが、一方で「こう」だと思ったら
即行動できる男子にも描いています。
彼の暴走っぷりとピュアさを、
お客さんには私同様に見守ってもらえたら
なと(笑)。
担当:
そういえば、最初は楓が一番描きにくかったんですよね。
築島:
そうそう。
――それが好転したのは、いつ頃からですか?
築島:
たしか3話目くらいまで描いた頃でしょうか。
その辺りで楓のキャラをつかめてきて、愛着がわきました。
担当:
1、2話目までは結構手探りでした。
2話の楓の指パクのシーン
、
「楓は本当にこれ、やれる子なんですか?」と確認しましたよね(笑)。
築島:
そうでした(汗)。1巻のうちはお客さんへのサービスを
一番重視していたので、どうしても絵的に強いものを入れようとした結果、
キャラの気持ちに寄り添いにくくなっていたかもなと思います。
あ、今はもちろん楓は描いていて楽しいですし、好きですよ!
あと友達キャラの森くんも単純に良い奴で、好きです(笑)。
――では一番共感できるのは?
築島:
さくらですかね。一応女子だし、完璧じゃない普通の子なので。
この作品では
少女漫画としての「あったらいいな」の理想を
エンタメとしてお届けできるように描いている
つもりですが、
ヒーローの楓にもある程度、私の理想を反映しながら描いていると思います。
なので、楓の行動や発言にも、私なりに共感しているのではないかなと。
――波多野くんはどうでしょう?
築島:
波多野には現実での理想というより、
別ベクトルでのファンタジーとしての理想を求めているので、
どこか客観視しているところはあるかもしれません。
この連載はある意味、
波多野でチャレンジしている部分もありますが、
私にとっては愛着もある秘蔵っ子
です(笑)。
――それでは
『絶とき』
で一番大事にしていることを教えてください。
築島:
デビュー時から変わりませんが、
気持ちのよいときめきを描くこと
でしょうか。
それに失敗すると、なんだかすっきりしない描写になります。
ストレスなく、ひっかかるところがないようにお客さんに
喜んでときめいてもらえたらなと思って、毎話描いています。
――では最後に、4巻の見どころとメッセージを読者の方にお願いします。
築島:
4巻はときめき満載
なので、
毎話楽しんでもらえる内容になっているのではないかと。
特に私の気に入っている
14話の「波多野との下校中での攻め」
と、
16話の「楓とのキス」
を楽しんでもらえたら嬉しいです。
左:14話の「波多野との下校中での攻め」。ついに波多野くんが本気モード…!!
右:16話の「楓とのキス」。続きはぜひコミックスでお確かめを♥
築島:
キスシーンは担当さんとネーム中に
「この回はキスまでたどり着けないんじゃないか」
「いやでもキスまでなんとしてもいきたい」…と
散々やりとりしながら作った
ので相当時間がかかってしまったけれど、
この巻でお届けできてよかったと思っています!
それから、楓とさくらの2人の関係性の進展と、
初の“波多野表紙”
をぜひ見ていただけたらと思います。
ぜひぜひ、ときめいてください!!
――今日はありがとうございました。
『絶対にときめいてはいけない!』
最新4巻は
6月13日発売
です!
そして、これからも応援よろしくお願いします!
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